コロナ禍において、多くの学校法人や企業がeラーニングプラットフォームを使ってオンライン研修をスタートしました。そこで気になるのが動画コンテンツの保護です。ひとたび不正なアクセスや動画コンテンツの流出が起きれば、信用度、資産価値の低下につながります。この記事では企業や組織にとって大切なデジタル資産である動画コンテンツを不正に利用されない仕組みについて解説します。
幸いなことに、著作権管理システム(DRM)によって、資産価値の高いコンテンツ、機密情報を含む動画を暗号化して、保護することができます。ただし、広く一般的に利用されるVimeoやWistiaのような企業向け動画配信プラットフォームでもDRM機能は標準機能として提供されていません。
大学、学習塾、企業では、学習効率の高い動画学習は広く採用されるようになり、その数は増加しています。一方で、研修コンテンツの不正アクセスや流出は組織のリスクの一つとして考えられるようになりました。オープンソースのLMS(学習管理システム)Moodleもそれ自体にはデジタル著作権管理機能は組み込まれていないため、独自にプラグインや外部ツールを利用してコンテンツ保護を強化する必要があります。
動画コンテンツを保護するDRMの仕組み
DRMは二つのレベルで機能します。
- 第一レベル:動画セグメントの暗号化
- 動画のセグメントや全動画ストリームのメタデータを暗号化します。暗号化キーはBlackBoxまたはContent Decryption Module(CDM)の背後に保護されており、Encrypted Media Extensions(EMEs)なしではアクセスできません。
- 第二レベル:認証されたユーザーのみが視聴可能
- 暗号化キーは、コンテンツの利用方法に関する情報を含むデジタルライセンスに包まれています。ユーザーが動画を視聴するリクエストを行うと、DRMシステムが認証をチェックし、検証トークンを発行します。最終的に、このトークンがストリーミングデバイスに確認を送信し、再生の許可を与えます。このプロセスは高度なビデオストリーミングサービスを提供するOTTプロバイダーを使用することで数秒で行われます。
DRMシステムは、ビデオストリーミングに追加の保護層を提供し、暗号化キーが転送されないようにします。これにより、コンテンツの無断複製や不正利用を防ぎ、著作権を確実に保護します。
代表的なDRM技術
- Apple FairPlay: Apple独自のDRM技術。主にAppleデバイス(iPhone、iPad、Apple TV、Mac)での動画再生を保護します。Kinescopeと組み合わせることで、画面録画やスクリーンショットの防止も可能です。
- Microsoft PlayReady: Microsoftが開発したDRM技術。Windows、Xbox、Androidなど、さまざまなデバイスに対応しています。オリンピックなどの大規模なイベントでも利用されています。
- Widevine: Googleが提供するDRM技術。主にAndroidデバイスやChrome、Firefoxブラウザでの動画再生を保護します。Netflix、Disney+、Amazon Prime Videoなど、多くのストリーミングサービスで採用されています。
DRM技術の選択
動画配信プラットフォームを選ぶ際には、対応しているDRM技術も重要な考慮事項です。ターゲットとする視聴者のデバイスやプラットフォームに合わせて、最適なDRM技術を選択することが重要です。
スプライングローバルは、複数の動画配信プラットフォームを提供する企業です。DRM保護機能に加えて、動的透かしや画面キャプチャブロックなどの機能も提供しており、コンテンツの不正利用を防ぐための総合的なソリューションを提供しています。
ご不明な点があれば、お気軽にご質問ください。