動画配信プラットフォームの正しい選び方

動画配信プラットフォームの正しい選び方

動画配信プラットフォームは、インターネットを通じて動画コンテンツを配信・視聴するためのサービスです。いまでは数えきれないほどの動画ホスティングソリューションが開発され、採用されています。YouTube, Vimeo, Wistia、J-StreamやBrightcoveがよく知られており、B2Bに特化した企業向けSaaSもあります。この記事ではそれらの分類や特徴、選び方を解説します。

動画配信プラットフォームは大きく2つの種類に分類されます。

  1. SNS/メディア型
    • YouTubeやニコニコ動画、Instagramなど、誰もが動画を投稿・視聴できるプラットフォーム
    • 無料で使用することができるが広告や自社以外の動画も表示される
    • 不特定多数への情報発信に使われる
  2. 企業向けSaaS型
    • VimeoやJ-Streamなど企業が自社の動画コンテンツを配信・管理するためのプラットフォーム
    • 月額料金や従量課金制で運営される
    • 社内研修、製品紹介、マーケティングなどビジネス用途に特化した機能が充実
    • 有料サービスを前提としているため、広告は表示されない

一方で、インタラクティブ動画に特化したhihahoのような製品は、さらに動画内で選択によるストーリー分岐やクイズ機能といった双方向性のある機能を提供してくれます。

いくつかの業界では、動画公開について慎重であり、特に情報漏洩やコンテンツ資産の流出といった危険を回避することからセキュリティに関して高い関心を持つ企業や組織もあります。主に教育、金融、医療の分野ではこれらが顕著です。

自社のニーズにあった最適な動画公開プラットフォームをどのようにして選ぶべきか?この記事では、3つの視点から動画配信プラットフォームの選び方を解説していきます。

コンテンツセキュリティ

大切な動画を許可されていない視聴やダウンロードから保護する必要がありますか?もしそうなら、プライバシー設定、埋め込みドメイン指定やDRM(Digital Rights Management)機能が有効です。

プライバシー設定は、URLを知っている人のみ視聴できる動画限定公開設定です。これにより意図した視聴者のみが動画を視聴できるようになります。ただしURLが知られてしまうと誰でも見れてしまうため、URLの厳格な管理が必要となります。

埋め込みドメイン指定は、動画の公開範囲が指定することができる技術です。社員や会員のみのログイン専用サイトへの埋め込みをすることにより、さらに視聴を制限することができます。

DRM(デジタル著作権管理)技術や暗号化技術を用いて動画を不正なダウンロードを防止することができます。Vimeoの場合は、標準ではDRM機能が含まれていません。

拡張性

動画活用は、一旦開始されると非常に幅が広く次々と新しい活用を模索し、それはとどまることを知りません。それ自体は良いことなのですが、同時に色々な要望が出てきます。プレーヤーのカスタマイズ、使い勝手を良くするための工夫、システム連携など数えきれません。それらの要望や拡張に応えられる動画配信プラットフォームを選んでおくことは未来に備えることになります。企業によって要望はさまざまですが、開発スピードの速さや拡張性に対して重要視しているプラットフォームを選んでおくと良いでしょう。

移植性

大切な動画コンテンツを取り出す必要がありますか?移植性とは、コンテンツの移動ができることです。動画配信プラットフォームによっては、動画を取り出せないものもあります。いざという時のために、他動画配信プラットフォームに動画を移植、または一括取り出しができるものを選んでおくと良いでしょう。動画配信プラットフォームの移植性がないと急な価格改定があった場合に選択肢がないため、コスト高を許容せざるを得なくなるかもしれません。

インタラクティブ性

従来の動画は視聴するだけのものでした。一方的な動画視聴は短い動画ではあまり気にならないかもしれませんが、受動的な視聴は離脱の原因になります。視聴者に選択肢を与え、ストーリーが分岐したり、継続的な視聴を促すために飽きさせない仕組みが有効なこともあります。実際インタラクティブな機能を持つ動画の方が30%以上視聴時間が伸びるという調査結果もあります。動画から特定のECサイトへ誘導、資料のダウンロードを有効にすることもできたらどうでしょうか?これらはインタラクティブ動画に対応した配信プラットフォームで実現できます。

価格

動画配信プラットフォームを選択するときに、価格は重要な要素の一つとなります。実際他社のクラウドサービスをベースとして実装された動画配信プラットフォームは値段が高くなります。独自のインフラ環境を構築することで値段を下げている動画配信プラットフォームもあります。例えば、3TBの動画配信の場合、独自インフラを持つ動画配信プラットフォームと比べると、Vimeoは3倍、Wistiaの場合、7倍も高額になります。

まとめ

自社の動画ニーズからコンテンツの安全性、拡張性、移植性、インタラクティブ性と価格のバランスを考えて選ぶことが重要です。一つですべてを満たすものを見つけることが難しい場合には用途によって組み合わせることも選択肢の一つです。

もし動画配信プラットフォームに悩んだら、弊社までご相談ください。複数の動画配信プラットフォームの中から最適なものを選ぶお手伝いをいたします。