【イベント登壇レポート】Zoomや動画だけでは人は動かない。「見る研修」から「考える研修」への転換が企業の未来を変える

【イベント登壇レポート】Zoomや動画だけでは人は動かない。「見る研修」から「考える研修」への転換が企業の未来を変える

2025年11月19日(水)、企業の教育・研修担当者が直面する課題、「学びが行動に変わる仕組み」を探求するイベント「オンライン研修イノベーションサミット」がオンラインで開催されました。

本サミットに、スプライングローバル株式会社 代表取締役 藤松良夫が登壇しました。「“見る研修”から“考える研修”へ ─ インタラクティブ動画が変える企業教育の未来」と題し、形骸化しがちな動画研修を、受講者の行動変容につながる能動的な学習体験へと変えるための具体的な手法について講演を行いました。

本記事では、その講演内容のハイライトをお届けします。


なぜ、動画研修は「2倍速・ながら見」されてしまうのか?

コロナ禍以降、オンライン研修や動画アーカイブの活用は急速に普及しました。しかし、その一方で新たな課題も浮き彫りになっています。藤松は講演の冒頭、多くの企業で聞かれる「研修の実態」について触れました。

「動画研修が増えた結果、『2倍速で見る』『メールを打ちながら横目で見る』といった“ながら視聴”が常態化し、視聴完了すること自体が目的になってしまっているケースが少なくありません」

研修担当者へのヒアリングでも、約9割が「eラーニングの効果が説明できない」「視聴完了と実際の成長が一致しない」といった悩みを抱えているといいます。

解決策は「考える瞬間」を組み込むインタラクティブ動画

では、どうすれば「考える研修」を実現できるのでしょうか。その解決策として提示されたのが、インタラクティブ動画プラットフォーム「hihaho(ヒハホ)」を活用したアプローチです。

インタラクティブ動画とは、視聴者が動画内で「選択肢を選ぶ」「問題に回答する」といったアクションを起こせる動画のことです。

この問題の根本原因は「動画研修の中に、受講者が『考える瞬間』が設計されていないこと」にあると指摘します。従来の動画研修は、一方的に説明を聞くだけの「受け身の学び」になりがちで、これでは人は行動を変えません。行動を変えるのは、情報を受け取った時ではなく、「自ら考えた瞬間」だからです。

講演では、消防士の緊迫した意思決定訓練や、高価な医療ロボットの操作研修など、海外の先進的な事例が紹介されました。動画の途中でクイズが出題され、間違えると即座にフィードバックが表示される。この「問いかけられ、考え、選択し、結果を知る」というサイクルこそが、受講者の能動的な思考を促し、記憶の定着を高める鍵となります。

AIが「学びの設計」と「効果測定」を劇的に変える

さらに、インタラクティブ動画の制作・運用における最新のAI技術の活用についてもデモンストレーションを交えて解説しました。

1. 制作工数を従来の1/5以下に削減

これまで、分岐やクイズを盛り込んだ動画教材の作成には多大な時間がかかっていました。しかし、最新のAI機能を活用することで、音声データからの字幕生成、動画内容に基づく問題作成(10分の動画で3~5問程度)、さらには回答に対する評価基準(ルーブリック)の作成までが自動化されます。これにより、誰でも簡単に高品質な教材を作成できるようになります。

2. 記述式回答で「脳圧」を高める

AIによる自動評価機能により、従来の選択式問題だけでなく、自由記述式の問題も手軽に導入できるようになりました。受講者は自分の言葉で答えを言語化する必要があるため、動画への集中力(藤松曰く「脳圧」)が格段に高まります。

3. 「視聴ログ」から「思考ログ」への深化

従来の「視聴完了率」だけでなく、AIを活用することで、受講者が「どこで考え込んだか」「どの問題に何秒かかったか」「どこを間違えたか」といった詳細な学習プロセスをデータとして可視化できます。これにより、感覚ではなく具体的な数値に基づいて研修効果を説明し、改善につなげることが可能になります。

以下より藤松の講演部分をhihahoでインタラクティブ化した動画をご覧いただけます。

こちらの動画ではhihahoの以下のAI機能を利用しています。

  • 字幕生成
  • チャプター生成
  • 問題生成

まとめ:「視聴」から「体験」へ

講演の最後に藤松は、「行動を変えるのは情報ではなく、考えた瞬間である」と改めて強調しました。

「これからの研修担当者に求められるのは、単に動画を配信することではなく、受講者が動画の中で考え、選び、行動する『体験』を設計することです。AIとインタラクティブ動画を組み合わせることで、受け身の学習から脱却し、再現性のある『行動が変わる研修』を実現できます」

スプライングローバルでは、今後もテクノロジーを活用した新しい学びの形を提案し、企業の教育課題解決を支援してまいります。


【関連情報】さらに詳しく知りたい方へ

▼資料ダウンロード

この講演で使用した資料を希望される方は、以下のフォームよりお問い合わせください。
[件名]に「オンライン研修イノベーションサミット資料希望」と記載してください。
https://splineglobal.com/contact/


今回の講演でご紹介したAI機能やインタラクティブ動画の活用について、実際の画面を見ながら詳しく体験できる無料のオンラインデモイベントを定期的に開催しております。 ご興味をお持ちの方は、ぜひお気軽にご参加ください。

▼直近のイベント情報・お申し込みはこちら

“見る研修”から“考える研修”へ〜AIによる動画活用

日時:12月2日(火)15時〜16時
オンラインのみ:Google Meetによるウェビナー
お申し込みはこちら ⇒ https://hihaho-ai-demo2.peatix.com/view

こんな人に向いています。 「研修企画者」「教育担当者」「eラーニング運営者」「教材制作会社」「大学教員・EdTech事業者」