効果量は、介入や条件の違いによる効果の大きさを表す数値です。平均値の差を標準偏差で割った標準化平均値差は、尺度の異なる研究どうしの比較やメタ分析に使われます。
Cohen は1992年の論文「A power primer」で、効果量の指標を示しました。小・中・大の効果について、慣例的な値も示しています(Psychological Bulletin 誌)。
Cochrane Handbook 第6章(version 6.5)は、コクランのレビューの標準化平均値差を、社会科学で Hedges の(調整済み)g と呼ぶ効果量だと説明しています。Hedges は1981年の論文で、Glass の推定量が小標本で偏ることを示しました。この推定量は、平均値差を標本の標準偏差で割ったものです。論文では、偏りのない推定量も示しています。
計算のしかた:標準化平均値差は、d =(M₁ − M₂)÷ s で求めます。M₁ と M₂ は2つの群の平均値、s は2つの群をあわせた標準偏差(併合標準偏差)です。s = √[{(n₁ − 1)× s₁² +(n₂ − 1)× s₂²}÷(n₁ + n₂ − 2)]。n₁ と n₂ は各群の人数、s₁ と s₂ は各群の標準偏差です。
小さい標本の補正:コクランの「Statistical algorithms in Review Manager 5」(2010年)は、Hedges の調整済み g を、上の d に(1 − 3 ÷(4N − 9))を掛けて求めています。N は2つの群の人数の合計です。係数は、N = 20 で約 0.96、N = 100 で約 0.99 です。
数字の意味:d は、2つの群の平均が、標準偏差のいくつ分離れているかを表します。d = 0.5 なら、標準偏差の半分です。単位のない数なので、尺度や満点の違う研究どうしでも比べられます。正負の符号は、どちらの群から引いたかで決まります。
目安:Cochrane Handbook 第15章(15.5.3.1)は、Cohen(1988年)による目安として、0.2 を小さい効果、0.5 を中くらいの効果、0.8 を大きい効果とする考え方を紹介しています。同じ章は、この目安が主に社会科学の研究者から生まれたものであること、また、結果がどれだけ重要かは場面によって違うため、こうした解釈には問題があると考える方法論の専門家もいることを書いています。
計算の例:研修を受けた群の平均点が 75 点、受けなかった群が 70 点で、併合標準偏差が 10 点なら、d =(75 − 70)÷ 10 = 0.5 です。2つの群の点数が正規分布で、ばらつきが同じと仮定すると、研修を受けた群の平均の人は、受けなかった群の約 69% の人より高い点数です(正規分布の表から求めた値です)。
元の単位に戻す:第15章(15.5.3.2)は、標準化平均値差に、最もなじみのある尺度の標準偏差の見積もりを掛けて、元の尺度の差として表し直す方法も示しています。上の例では、0.5 × 10 点 = 5 点です。
- 読み
- こうかりょう
- 英語
- Effect size
- 業界
- 医療・福祉、教育機関
- 業務
- 研修と教育
- 出典の確認日
出典
- Cohen, J.「A power primer」Psychological Bulletin 112(1), 155–159(1992年)(別のタブで開きます)
- Hedges, L. V.「Distribution Theory for Glass's Estimator of Effect Size and Related Estimators」Journal of Educational Statistics 6(2), 107–128(1981年)(別のタブで開きます)
- Cochrane「Cochrane Handbook for Systematic Reviews of Interventions」第6章(version 6.5)(別のタブで開きます)
- Cochrane「Cochrane Handbook for Systematic Reviews of Interventions」第15章(15.5.3)(別のタブで開きます)
- Deeks, J. J., Higgins, J. P. T.「Statistical algorithms in Review Manager 5」Cochrane(2010年)(別のタブで開きます)
