SCORM と xAPI は、教材と、学習の記録をやり取りするための規格です。SCORM 2004 では、完了の状態、合否、得点、かかった時間、設問ごとの回答などを、LMS(学習管理システム)に記録できます。xAPI では、いろいろな行動を、statement という形の記録にして、LRS というサーバーに送れます。

動画に問いを入れたインタラクティブ動画を LMS につなぐとき、どの規格を使うかで、残せる記録と、記録の送り先が変わります。

LMS とは何ですか

LMS(Learning Management System。学習管理システム)は、講座と教材を学習者に届け、受講の状況や成績などの、学習者のデータを管理するソフトウェアです。xAPI の仕様は、LMS を、1つ以上の講座を、1人以上の学習者に対して運用するためのソフトウェアと説明しています。

図LMS が受け持つこと

載せるもの

  • 教材SCORM のパッケージ、動画、小テストなど
  • 学習者の登録だれが、どの講座を受けるか

LMS

学習管理システム講座と教材を届け、学習者のデータを管理する

残るもの

  • 受講の状況始めたか、終えたか
  • 成績得点、合否

LMS の定義をもとにした、当社による整理です。

大学 ICT 推進協議会(AXIES)の 2023年度の調査では、LMS を全学で導入している割合は、4年制大学で 89.5%、短期大学で 70.6%、高等専門学校で 91.7% でした(有効回答は 718機関)。

LMS と教材は、どの規格でつなぎますか

教材を LMS につなぎ、学習の記録を残す規格には、SCORM、xAPI、cmi5、LTI があります。

SCORM教材を1つのパッケージにまとめて LMS に載せ、記録を LMS に残す規格です。
xAPI学習の記録を、statement という形で、LRS というサーバーに送る規格です。
cmi5xAPI を LMS と組み合わせて使うときの決まりです。教材の起動、認証、記録の報告、コースの構造を定めています。
LTILMS などのプラットフォームに、外部のツールや教材をつなぐ規格です。教育の規格の団体 1EdTech が公開しています。

SCORM とは何ですか

SCORM は、米国の ADL(Advanced Distributed Learning)が公開している規格です。SCORM 1.2 は 2001年に公開されました。最新は、2009年に公開された SCORM 2004 4th Edition です。教材を1つのパッケージ(ZIP ファイル)にまとめ、LMS に載せて使います。

SCORM 2004 では、次のような項目を LMS に記録できます。

完了の状態cmi.completion_status
合否cmi.success_status
得点cmi.score.scaled、cmi.score.raw
かかった時間cmi.session_time、cmi.total_time
設問ごとの回答cmi.interactions

xAPI とは何ですか

xAPI(Experience API)は、学習の記録を、「誰が(actor)、何をした(verb)、何に対して(object)」という形の文(statement)で表す規格です。記録は、LRS(Learning Record Store)という、記録を受け取り、保管し、提供するサーバーに送ります。

図xAPI の記録(statement)の形と、送り先

statement(1つの記録)

  • 誰がactor
  • 何をしたverb
  • 何に対してobject

送り先

LRS(Learning Record Store)記録を受け取り、保管し、提供するサーバー

xAPI のバージョン 1.0.0 と 1.0.1 は 2013年、1.0.2 は 2014年、1.0.3 は 2016年に公開されました。2023年10月には、IEEE 9274.1.1-2023 として標準になりました。

SCORM と xAPI は、何が違いますか

SCORM と xAPI は、記録の送り先、教材の置き場所、記録の形が違います。

図教材の置き場所と、記録の送り先

SCORM

  1. 教材のパッケージLMS の中に載せる
  2. LMS決まった項目に、値を記録する

xAPI

  1. 教材LMS の外にあってもよい
  2. LRSstatement の形で、いろいろな行動を記録する

緑の枠が、記録の送り先です。

記録の送り先SCORM は、教材を載せた LMS です。xAPI は、LRS です。
教材の置き場所SCORM は、LMS の中にパッケージを載せます。xAPI は、教材が LMS の外にあっても、記録を送れます。
記録の形SCORM は、決まった項目に値を入れます。xAPI は、statement の形で、いろいろな行動を記録できます。

Moodle は、どの規格に対応していますか

Moodle が対応する規格は、SCORM 1.2 だけではありません。標準の機能で使えるものと、プラグインを足して使うものがあります。Moodle はオープンソースの LMS で、公式ドキュメントの説明は、次のとおりです(2026年10月時点)。

SCORM 1.2標準の機能で対応しています。公式ドキュメントは、ADL の適合試験(Conformance Test Suite 1.2.7)のテストに全て通ると説明しています。
AICC標準の機能で対応しています。
SCORM 2004標準の機能では、基本の API の一部が実装されています。公式ドキュメントは、動くように見える SCORM 2004 のパッケージもあるが、標準の機能としての開発は止まっている、と説明しています。あわせて、Rustici Software のプラグインで同社の商用のサービス(SCORM Cloud)につなぐと、SCORM 2004 に適合した形で再生できる、と案内しています。
xAPIサードパーティーのプラグインで対応します。公式ドキュメントは、記録を外部の LRS に送る Logstore xAPI と、xAPI の教材を Moodle の中から起動する mod_tincanlaunch を、例に挙げています。
LTI標準の機能で対応しています。公式ドキュメントは、Moodle が LTI Advantage の認証を受けていると説明しています。

実際にどの方法が使えるかは、その Moodle の版、設定、入っているプラグインで変わります。Moodle の管理者に確かめます。

インタラクティブ動画の hihaho では、どうなりますか

開発元のサポート記事(2023年4月12日付)は、hihaho の動画を LMS や e ラーニングの教材に入れる方法として、SCORM、xAPI、埋め込みコードの3つを挙げています。どれが使えるかは、LMS の側の機能で決まる、と説明しています。

SCORMSCORM 1.2 または SCORM 2004(第3版)のパッケージとして書き出せます。パッケージには、視聴ごとに、開始したかどうか、終了したかどうか、設問ごとの得点、動画全体の得点が含まれます。再生には、hihaho.com へのインターネット接続が要ります(サポート記事、2024年3月14日付(別のタブで開きます))。
xAPILRS の接続先(エンドポイント)、ユーザー名、パスワードを設定すると、記録を LRS に送ります。再生、一時停止、設問への回答、完了、合格と不合格などが、statement として送られます(サポート記事、2026年3月11日付(別のタブで開きます))。
埋め込み埋め込みコードや URL で、LMS のページに動画を置きます。記録は、hihaho の分析の画面で見ます。

同じサポート記事は、自分の LMS で動くか分からないときは、見本の SCORM パッケージや埋め込みコードで試すよう勧めています。

言い切れないこと、確かめることは何ですか

  • SCORM 2004 の教材が、Moodle の標準の機能で動くかどうかは、教材ごとに試して確かめます。公式ドキュメントは、動くように見えるものもある、と説明するにとどめています。
  • プラグインを入れられるかどうかは、その LMS を運用する組織の方針で決まります。
  • 規格に対応している LMS でも、使える機能は、版と設定で変わります。載せる前に、見本の教材で試します。

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出典

確かめる

この記事の内容から、2 問です。選ぶと、その場で答えと説明が出ます。

問い 1xAPI の記録は、どこに送りますか。

問い 2LMS(学習管理システム)の役目として、合っているのはどれですか。

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