授業を見直し、教員の力をどこに振り向けるか。この判断は、履修者の数や成績の分布だけでは決めにくいものです。学生がどこまで学び、どこでつまずいたかの記録があると、判断の材料が増えます。

スプライングローバルは、授業をオンデマンド講義にし、動画の中で問い、学びの記録を残して分析するところまでを支えます。このコラムでは、そのしくみで、2つの問いにどう向き合えるかを紹介します。

なぜ今、授業と教員組織の見直しが問われていますか

中央教育審議会は、2025年2月21日の答申で、大学進学者の数の見通しを示しました。2021年の62.7万人が、2040年には46.0万人になり、約27% 減るという推計です。

答申は、高等教育全体の規模を適正にしながら、教育の質を高めることで、規模の縮小を補うとしています。そのための取り組みとして、学修成果の可視化、対面授業と遠隔授業を組み合わせたハイブリッド型の教育、大学どうしの連携による授業の共有などを挙げています。

学生が減っても、授業の数と教員の数がそのままなら、1つの授業にかけられる資源は薄くなっていきます。どの授業を続け、どこに力を集めるか。多くの大学が、この問いに向き合い始めています。

大学は、どんな問いに答える必要がありますか

問い判断に要る材料
授業と科目役割を終えた授業はどれか。資源をどこに移すか学生が実際に学んでいるか。どこでつまずくか
教員組織優れた教育を、大学全体でどう生かすかどの授業の、どの部分が学びにつながっているか

どちらの問いも、教育効果や社会からの求めをふまえて答える必要があります。ところが、多くの大学で手元にあるのは、履修者の数、成績、授業アンケートです。授業の中で何が起きているかは、教室の外からは見えにくいままです。

スプライングローバルは、何ができますか

図授業を、見直せる形にする流れ
  1. 1講義をつくる今のスライドから、オンデマンド講義に
  2. 2動画の中で問う問いを入れ、答えをその場で採点
  3. 3学びを記録する点数、答え、視聴の記録を残す
  4. 4授業を見直す記録をもとに、続ける・直す・統合する

当社による整理です。

Sylavids で、オンデマンド講義をつくる

Sylavids は、PowerPoint や PDF の授業のスライドから、ナレーションのついた講義動画をつくります。AI がスライドの内容を読み取り、ナレーションの原稿を下書きします。90分の講義の動画もつくれます。

  • スライドのデザインは、そのまま受け継がれます。
  • スライドの一部を直したときも、録画をし直さずに作り直せます。
  • 日本語、英語、中国語の講義をつくれます。
  • 人名や専門用語の読み方を登録すると、まとめて直せます。
  • 大学全体で使えるよう、シングルサインオンに対応しています。

hihaho で、問題の作成と採点を効率よく

hihaho は、動画の途中に問いや分かれ道を入れられるインタラクティブ動画のプラットフォームです。選択式や記述式など、17種類の操作を動画に重ねられます。AI が、問いと採点の観点を下書きします。記述式の答えには、AI がその場でコメントを返します。

問いの下書きと採点の一部を任せることで、教員は、問いの中身を確かめ、学生への指導に時間を使えます。

学びの過程と成績を、記録して分析する

hihaho では、受講者ごとの点数と合否、答えた内容、答えるまでの時間が分かります。記録は CSV で取り出せるほか、SCORM や xAPI で LMS に渡せます。LTI でつなぐこともできます。

成績の数字だけでなく、どの問いで多くの学生が間違えたか、どこで見るのをやめたかが分かります。オンデマンド講義の中で、何が起きているかが見えるようになります。

学びの記録は、授業の見直しにどう使えますか

記録から分かること見直しのヒント
多くの学生が同じ問いで間違える説明の順番や例を直す。前の科目との重なりを見る
途中で見るのをやめる学生が多い長さや構成を見直す。分けて短くする
ほかの科目と同じ内容をくり返している科目をまとめる。共通の講義として使う
学生の答えが、ほとんど正解になる内容をより深くする。対面の演習に時間を移す

記録は、授業をやめるかどうかだけを決めるためのものではありません。直せば生きる授業と、役割を終えた授業を見分けるための材料です。教員の会議で、同じ記録を見ながら話せるようになります。

優れた教育を、大学全体でどう生かしますか

評価の高い教員の講義をオンデマンド講義にすると、ほかの学部やキャンパス、連携する大学の学生も受けられます。同じ内容の講義を、複数の教員がそれぞれ行う必要がなくなります。

その分、教員の時間を、対面でしかできない演習、実験、研究の指導、少人数の対話に移せます。講義を届ける部分と、人が向き合う部分を分けて考えることが、教員組織を組み直す出発点になります。

人の配置を見直す議論が避けられない場面もあるかもしれません。そのときこそ、どの授業がどう役立っているかを、同じ記録で示せることが大事です。判断を、印象ではなく、説明できる形にするためです。

記録を使うとき、何に気をつけますか

  • 視聴の記録や点数は、理解そのものではありません。授業の価値を、数字だけで決めないようにします。
  • 学生が少なくても、大学として欠かせない科目があります。基礎の科目や、専門の少人数の科目です。
  • 実習、実験、対話が中心の授業は、オンデマンド講義に向かないことがあります。
  • 教員一人ひとりの評価に、視聴の数や点数をそのまま使わないようにします。何を見るのかを、教員と一緒に決めます。
  • 学生の学びの記録は個人情報です。個人情報保護法は、利用の目的を特定すること(第17条)、目的の範囲で使うこと(第18条)、取得するときに目的を知らせるか公表すること(第21条)を定めています。大学の設置の形態によって、かかわる規定が違うこともあります。

まず、何から始められますか

すべての授業を一度に変える必要はありません。履修者の多い科目、複数の教員が同じ内容を教えている科目など、1つの科目から始められます。今あるスライドからオンデマンド講義をつくり、問いを入れ、1学期分の記録を見る。そこから、見直しの議論を始められます。

スプライングローバルは、講義の作成から、問いの設計、記録の取り出しと分析まで、大学の皆さまと一緒に進めます。

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出典

確かめる

この記事の内容から、2 問です。選ぶと、その場で答えと説明が出ます。

問い 1中央教育審議会の答申(2025年2月21日)の推計で、2040年の大学進学者の数は、2021年と比べてどうなりますか。

問い 2学びの記録で「多くの学生が同じ問いで間違える」と分かったとき、このコラムで挙げた見直しのヒントはどれですか。

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