第1回では、目的・目標と、今の姿を書き出しました。2つを並べると、差が見えてきます。この差を埋めることが、IT を導入する理由になります。第2回では、差を生んでいる改善点を洗い出し、どこから手をつけるかを決めます。

困りごとを、原因までたどる

現場で聞く困りごとは、たいてい「結果」です。「返事が遅い」の後ろには、「答えを探すのに時間がかかる」があり、その後ろには「回答の手引きが、ばらばらの場所にある」があるかもしれません。結果に対してツールを入れても、原因が残れば、困りごとは消えません。

図困りごとから、打ち手までの流れ
  1. 困りごと現場で起きていること(返事が遅い)
  2. 原因なぜ起きるのか(答えを探すのに時間がかかる)
  3. 真因さらに、なぜか(手引きがばらばらの場所にある)
  4. 打ち手何を変えるか(手引きを 1か所に集め、探せるようにする)

当社による整理です。

「なぜ」を 2回か 3回くり返すと、たいてい手の届く原因にたどり着きます。原因が人によって違うときは、件数を数えて、多いものから見ます。

IT で解くか、IT 以外で解くか

改善点のすべてが、IT で解くべきものとは限りません。ルールを決める、担当を決める、手順を減らす、といった打ち手で済むこともあります。IT を入れる前に業務のやり方を整えないと、今の手間をそのままシステムに写すことになります。

図打ち手の 3つの種類

決まりと役割

ルール、担当、承認の流れを決め直す

  • 例:返事の担当を当番制にする

業務のやり方

手順を減らす、まとめる、やめる

  • 例:同じ内容の二重入力をやめる

IT

道具で、探す・つなぐ・自動にする

  • 例:手引きを 1か所に集めて検索できるようにする

当社による整理です。1つの改善点に、いくつかを組み合わせることもあります。

順番は、効果と手間で決める

改善点が並んだら、それぞれについて「目標にどれだけ効くか(効果)」と「どれだけ手間と費用がかかるか(手間)」を、大・中・小で見積ります。効果が大きく手間が小さいものから始めると、早く成果が見え、次の予算の説明もしやすくなります。

手間が小さい手間が大きい
効果が大きいすぐに始める計画を立てて取り組む
効果が小さい手が空いたときに今は見送る

テンプレート:課題一覧

次の表を、改善点ごとに 1行ずつ埋めます。記入例は、第1回と同じ問い合わせ対応の例です。

項目書くこと記入例
困りごと現場で起きていること最初の返事まで平均 2日かかる
原因なぜ起きるのか(件数があれば添える)答えを探すのに 1件あたり平均 20分
真因さらに、なぜか回答の手引きが、共有フォルダーとメールに分かれている
打ち手の種類決まり/やり方/ITやり方(手引きの置き場を決める)+ IT(検索)
効く目標第1回のどの目標に効くか最初の返事を 1日以内に
効果大・中・小と、その理由大:探す時間が減れば、返事が早くなる
手間大・中・小と、その理由中:手引きの整理に 2か月ほど
順番効果と手間から1番目

チェックリスト:第2回を終える前に

  • □ 困りごとを、原因と真因までたどった。
  • □ 原因の多い・少ないを、件数や時間で確かめた。
  • □ IT 以外の打ち手も考えた。
  • □ 各改善点が、第1回のどの目標に効くかを書いた。
  • □ 効果と手間で、順番を決めた。
  • □ 最初に取り組む改善点を、1つか 2つに絞った。

このコラムで言えないこと

  • ここで示した流れ、表、テンプレートは、当社による整理です。
  • 効果と手間の見積りは、はじめは粗くて構いません。第5回で、予算を説明するときに数字を詰めます。

連載「ビジネスの目標を達成するための IT 導入」

一緒に、整理してみませんか

書き出してみて手が止まったところが、相談のしどころです。お手元のメモのままで構いません。目的の整理から、一緒に考えます。

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出典

確かめる

この記事の内容から、2 問です。選ぶと、その場で答えと説明が出ます。

問い 1「返事が遅い」という困りごとに対して、まずすることはどれですか。

問い 2最初に取り組む改善点として、向いているのはどれですか。

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